まつり縫いフェスティバルの話

<Yoichi 知恵袋>

【Q.】
就活を目の前にした21歳の女です。
今週気になる企業の説明会に行くので、スーツをクリーニングに出そうと思ったらスカートの裾がほつれてました。
ちょいほつれどころの話ではなかったです。全ほつれです。ALL HOTSUREです。べろんべろんです。
このままではだらしのない格好で就活スタートすることになります。どうしたらいいですか。


【ベストアンサーに選ばれた回答】
修理に出すか 縫え

 

ということでね、スカートのほつれを直してくれそうなお店を探したんですけどね、出てこない。
多分服の修理屋さんにとりあえず持っていけばなんとかしてくれると思うんですけど、基本の修理メニューにはありませんでした。
そりゃそうだよな、ちょっとほつれたら自分で直すよな……。全ほつれなんてひどい状態になるまで放置する奴なんて私くらいだよな……。

 

「とりあえず持っていってみろよ」という話なんですけど、小心者なので無理です。
なので縫いました。まつり縫いフェスティバルです。

裁縫道具を取り出すのなんて実に数年振り。有事の際にと思って小学校の家庭科の授業で使ったPOOHさんの裁縫セットをこっちに持ってきててよかった。あと「何かと使うでしょ」って言って黒い糸を裁縫セットに入れてくれていたお母さんありがとう……。(こんなにいっぱい糸入れて何に使うんだよ……)と当時は思っていましたが、使いますなコレ……さすが家政科出身だぜ……。

 

そう、母親が家政科出身なんです。なので幼い頃から色々縫い物は教えてもらってました。フェルトで人形も作ってたりしてて。授業で縫い物をしたら上手だと褒められたものです。久しぶりの裁縫ですが、玉結びからまつり縫いの方法まで体が覚えていて。ドジで間抜けな私ですが母親の母性スピリッツが私にも宿っていると信じていt痛い痛い痛い痛い

正直に言うと最初は超悲惨でした。一針目で針が指に刺さりました。あと玉結び玉留めまつり縫いは覚えてましたが、待ち針を刺す方向が逆でした。結構進んだところで確認したら糸が表地に見えててやりなおしたり、糸同士が謎の絡まりをみせて叫んだりもしました。ひでえや……何が母性スピリッツだよ……。21歳にもなって針に指が刺さって涙目になるなんて鬱だ……。作業用BGMの流星隊の歌が辛い……「だーれーかがーさけんでるー」私です「SOS〜聞こえる〜」私です「いかーーーなきゃ それが宿命さーーーー」頼むから私の代わりにスカートのまつり縫いをしてください。高峯とか得意そうじゃないですか。お願いしますよ……。

 

そんな孤独な戦いとともに、時間との戦いもしていました。クリーニング屋の閉店時間が20時。私がまつり縫いフェスティバルを始めたのが17時半。いやこれも本当に馬鹿かと。
17時半の私「よーし、クリーニング屋行くぞ〜〜〜(スーツを取り出す)」
全ほつれに気づいた私「waaaaaaaa!!!」
なんでもっと早くに気づかなかったのか。馬鹿じゃないのかと。iPodで音楽を聴きながら作業していたのですが、最初のうちは1曲が終わるまでに全然進まなくて焦ったものです。でも30分もするとだんだん慣れてきて、最終的に2winkちゃんの曲を聴きながら「アテンションプリーズ!!」と鼻歌を歌えるくらいにはなりました。だんだんほつれがなおっていくスカートをみて充足感もむくむくと。縫い物って楽しいですね。集中すると表地に出ないように糸を引っ掛けるために血眼になる超目つきの悪い人になりますけどね。

 

そんなこんなでクリーニング屋の閉店には間に合いました。
料金が同じならばとお急ぎで頼んだら「Yシャツ黄ばんでますけど、できるとこまででいいですか…?通常納期だと漂白までできるんですけど……。」と聞かれ、己の汗と計画性のなさを恨みました。冬場は上にジャケット羽織ってるんで大丈夫です……。今度漂白してください……。

 

ということでまつり縫いフェスティバルを経て愛着がわいたスカートを履いて、就活頑張ろうと思います。
黄ばんだYシャツは漂白してもらうまで封印します。